SHIMANE 島根 TOYOTA SOCIAL FES!! Presents 千鳥のお堀水辺の生き物自然観察会 with 山陰中央新報社

宍道湖観察探検隊 2024

最終レポート

宍道湖周辺に生息する生き物を知ろう!

REPORT
【親子で環境意識高める宍道湖の生き物を観察】

ラムサール登録湿地である島根県東部の宍道湖は、全国で7番目に大きい湖。淡水と海水の入り交じる汽水湖のため魚種が豊富で、特に国内の湖では最大の漁獲量を誇るヤマトシジミはその生態が水の浄化に大いに役立っています。12年目となる今年のTOYOTA SOCIAL FES!!では、出雲市の宍道湖岸に親子連れや学生ら約50人が集まり、この環境を守り続けるために必要なことを学びました。

【宍道湖クイズ挑戦カヌーやシジミ汁試食も】

秋晴れに恵まれた10月26日、宍道湖西岸の県立宍道湖自然館ゴビウス(出雲市園町)に3歳から74歳の参加者が次々と集まってきました。ここは汽水域の生態系に着目した水族館。魚類、両生類、水生昆虫など200種1万点の多様な生き物が出迎えてくれます。参加者はジオラマ水槽や生き物に直接触れられるタッチプールなどを巡りながら宍道湖の生き物の生態に関するワークシートのクイズを解き、外来種の問題や絶滅が心配される生き物などについて学びました。その後は大型のカヌー「サバニ」に乗って宍道湖を遊覧。水面に跳ねる魚や湖岸の野鳥を観察し、最後にシジミ汁も味わいました。

【「知らなかったことが 分かってうれしい」】

幼なじみや家族と一緒に参加した出雲市立今市小学校4年の松谷禅君(10)は、シジミの濾過作用によって水質が浄化されるメカニズムを教わり「知らなかったことがいろいろ分かってうれしい」とにっこり。ゴビウスに300回以上来館している同市立中部小学校3年の妹尾航君(9)は祖父清行さん(74)と参加し「サバニは初めてで楽しかった。もうちょっと水がきれいだといいな」と話しました。

【一人一人の理解と協力へ身近な自然環境を体感課題気付くきっかけに】

この日は、島根大学生物資源科学部の学生3人が〝先生役〟としてボランティア参加。東京出身の2年名嘉眞朝大さん(19)は「独自の生態系を維持する汽水域の魅力を子どもたちに伝えられれば」と言い、同じ東京出身の2年秋田蛍太郎さん(20)は「島根は身近な水辺が多く、遊びや体験を通して環境への学びを深めることができる場として貴重。教えることを通じて、今日は僕自身も新たな発見がありました」と話します。この日の体験を通して、身近に当たり前にある自然環境の大切さを学び、身近な環境課題にも改めて目を向け、気付くきっかけになりました。恵み豊かなふるさとの自然を、一人一人の理解と協力で守っていきましょう。

◆主催:山陰中央新報社
◆後援:出雲市
◆協力:島根県立宍道湖自然館ゴビウス、島根県立青少年の家サン・レイク

国宝松江城を囲む堀川の水環境保全活動 2023

最終レポート

お堀の水草清掃と、生息する生き物を知ろう!

REPORT
【環境保全を目的に 水草を刈り取り】

この取り組みは島根県の豊かな自然を守るため、11年前から続けてきました。新型コロナウイルスの影響で中止となった年もありましたが、2年連続で開催することができました。今年も国宝・松江城(松江市殿町)周辺を囲む堀川の清掃活動と生き物調査を実施。近年、堀川では水草の繁茂が問題になっています。腐って異臭を放ったり、遊覧船の運行を妨げたりする水草を回収しようと、3歳から61歳まで81人が参加しました。

【真夏日の中、水草を回収 SUP普及団体も協力】

最高気温32・4度と真夏日になった9月16日(土)、参加した親子が次々と松江城近くの島根県庁駐車場に集まりました。午前10時になると参加者が堀川に入り、水草を集めました。スタンドアップパドルボード(SUP)の普及に取り組む松江市の団体RAINBOW WAVE(レインボー・ウエーブ)も協力。参加した子どもたちがSUPに乗って繁茂している大量の水草を引き上げました。

【堀川の環境に理解深める】

堀川は宍道湖とつながり、淡水海水が混じる汽水域として、独自の生態系を維持しています。全国的に珍しい汽水域について理解を深めてもらう活動に取り組む「千鳥のお堀を学ぶ会」の協力で、子どもたちが生息している生き物について調べました。
同会の中田光俊代表や島根大学の学生の指導を受けた子どもたちが堀川の中に網を入れると、メダカやトンボの幼虫のヤゴ、上皇さまをはじめとする皇居の生物学研究所が国内で初めて確認したことで知られるシンジコハゼなどが見つかりました。一方、外来種のブルーギルもいて、参加した松江市立古志原小学校6年の福間豪映君(11)は「外来種を減らしたい」と話しました。
宍道湖特産のシジミを取り、大きさを競う競争もあり、優勝した出雲市立四絡小学校3年の三原大君(8)は「こんな大きなシジミがいるんだ」とびっくりしていました。

【身近な環境を改めて体感】

清掃と調査は午前、午後の2回行われ、参加者からは「メダカやヤゴがたくさんいた」「予想以上に水草があった」などと声が上がり、身近な環境問題にあらためて目を向けるきっかけになりました。そして、島根県有数の観光地として多くの人が訪れる国宝・松江城のすぐそばを流れる堀川の環境を守る大切さを学びました。

◆主 催:山陰中央新報社
◆共 催:千鳥のお堀を学ぶ会
◆後 援:「汽水の松江堀川」魅力アップ協議会、松江市
◆協 力:千鳥の杜学園教育推進会議、まつえ環境市民会議、RAINBOW WAVE、社会福祉法人 開花

国宝松江城を囲む堀川の水環境保全活動~千鳥のお堀水辺の生き物自然観察会~ 2022

最終レポート

お堀の水草清掃と、生息する生き物を知ろう!

REPORT

【TSF!!2022】島根開催

【環境保全を目的に、 堀川の水草を清掃】

この取り組みは島根県の豊かな自然環境を守るため、10年前から続けてきました。過去2年間は新型コロナウイルスの影響で中止になりましたが、2022年は3年ぶりに開催されることになりました。今年は国宝・松江城(松江市殿町)周辺を囲む堀川の清掃活動と生き物調査を実施しました。近年、松江城周辺の堀川では、水草の繁殖が課題になっています。水草が腐って悪臭を放つほか、遊覧船の運航への妨げになるなど、水草による悪影響を防ぐことを目的に活動し、その様子はオンラインでも同時配信されました。

【国宝を望む会場で 120人が集結】

最高気温20度と、少し肌寒さを感じる10月10日(月・祝)。参加者の親子が次々と松江市殿町の松江城近くにある島根県庁駐車場に集まってきました。午前9時半すぎ、活動がスタートすると、参加者は次々と堀川に入り、水中の水草を回収して集めていきました。あっという間に大人が抱えきれないほどの量が集まり、驚いた様子で水草を眺める参加者もいました。

【堀川の環境にも 理解を深める】

堀川は宍道湖とつながっている淡水と海水が混じり合った汽水域です。全国的にも珍しい汽水域について参加者に理解を深めてほしいと、市民有志でつくる「千鳥のお堀を学ぶ会」の共催により、生き物調査も実施されました。同会の中田光俊代表や島根大学生物資源科学部の学生たちが、前もって「まつえワニの会」によって仕掛けられたかごわなを引き上げると、ミシシッピアカミミガメやモクズガニ、クサガメ、スッポンが捕獲され、参加した子どもたちから歓声が上がりました。子どもたちは網で生き物の捕獲にも挑戦。在来種でハゼの一種のヌマチチブを捕まえるなど、堀川の豊かな自然を体感しました。宍道湖特産のシジミ採り競争もあり、皆で採ったシジミの大きさを競いました。

【身近な環境問題を 改めて実感】

清掃と調査は4回実施され、参加者からは「初めて知る生き物がたくさんいた。身近に絶滅危惧種がいることに驚いた」「堀川に外来種がいることを初めて知った」などと声が上がり、改めて環境問題の重要性を身近に感じていました。そして、島根県有数の観光地として多くの人が訪れる国宝・松江城のすぐそばを流れる堀川の環境を整備する大切さを学びました。今後も島根の自然環境を守っていきましょう。

◆主 催:山陰中央新報社
◆共 催:千鳥のお堀を学ぶ会
◆後 援:「汽水の松江堀川」魅力アップ協議会、松江市
◆協 力:千鳥の杜学園教育推進会議、まつえ環境市民会議、まつえワニの会、カナツ技建工業、社会福祉法人開花

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